私は普段絵を描いているのですが、その観点から言うと、色彩設計がなかなかきれいだなと思いました。
特にラストのジョーカーのお馴染みのスーツのちょっとした色味と組み合わせが美しい。
ストーリーの方は、今の世相をよく反映しているのはいいのですが、本当に救いがないですね。
私はバットマンシリーズを全然見たことがないので、シリーズのファンであれば嬉しいシーンがあったのかも知れませんが…。
前半とにかく話が暗くて辛すぎるので、これは後半に物凄い展開が待っていないと報われないなぁと時計をチラチラ見つつ辛抱していたのですが…ジョーカーも観客もあんまり報われない映画ですね。
貧困の苦しさを描いた作品では、私は「ウシジマくん」の原作が好きなのですが、あの徹底した取材に基づいたリアリティ、ヒリヒリした心理描写はものすごいですね。
そう考えると「ジョーカー」はリアリティを楽しむべきなのか、後半のアクション(車が事故ったり)を楽しむのかちょっとよくわからない映画でした。
多分、アメリカ人は「ウシジマくん」を知らないから「ジョーカー」に熱狂するんでしょう。
なんか、ネットフリックスで配信されてる映画ってつまんないの多くないですか?
バリバリ左翼なのはいいんですけど、政治色が映画のチョイスに反映されすぎなような。
もっと普通にアクション映画とか、黒澤明とか、オードリー・ヘップバーンが出ているようなのとかないのかな。